2019.09.13 治療のゴールについて

・当院の治療ゴールの考え方

矯正治療を行う上で、どのような口元を目指していくかをまず考えます。

矯正治療を始める前によく観察しておかないといけない部分は実は顔、口元です。矯正治療で変化する部分でもあるからです。それから、顔のどこに歯をならべるかを考えます。健康な方ならば、唇の裏には歯があります。その歯がなくなればどうなるでしょう?唇は後ろへしぼみます。逆に歯が前に押し出されればどうでしょう?唇、口元は前に出てきます。さらに歯並びを上に位置づけるとどうでしょう?笑った時、口を開けた時の前歯の見え方が小さくなります。下に位置付けると歯が見える量が増えるでしょう。

矯正治療のゴールを考える時に、顔、口元を確認して、口元を前に出していいのか、そのままがいいのか、または後ろへ下げた方がいいのかといったことを考え、それを踏まえて歯並びを前後左右どこに設定するかを考えています。さらに笑顔、口を開いた状態なども確認し、歯並びを上下的にも考え、ゴールを設定しています。

ここまでは、どこに歯を動かせばどうなるかをいったことを書きました。実はより踏み込んで治療計画をたてることがあります。それは顎の骨をどこに動かせばどうなるか?といったことです。

人によって骨格は様々で、歯並びを気にされて来院される患者様のうち、実は上顎と下顎のアンバランスが原因で症状として表れていることがあります。患者様自身は骨の問題にまでは気付いていないことが多く、治療計画を説明する際に、通常の矯正治療に加え、顎骨の移動を伴う矯正治療の選択肢も提示することがあります。当然、患者様の希望を尊重し、治療計画を選んでいただきます。患者様の利益を考えた時に、治療の選択枝がより広がるよう心掛けています。

患者様それぞれの顔の特徴、笑顔の特徴、骨格の特徴を捉え、それに適した歯並びの位置や、顎の位置を考え、ゴールを設定しています。矯正治療でできることは、ただ歯を並べることだけではなく、最終的に口元をどうしていくかを考え、そこから逆算した結果を患者様に提示しています。一生に一度あるかないかの矯正治療に、できるだけのことを込めて、治療に取り組んでおります。

歯並び、口元でお悩みのかたはお気軽にご相談ください。