ARCHIVE:2019.09

2019.09.11 抜く?抜かない?

・当院の抜歯非抜歯についての考え

患者様からよくある質問に、私なりに考えを述べたいと思います。

矯正治療を始める前に治療計画の説明をします。

歯並びにガタガタがでるのは主に歯が並ぶスキマがないからです。細かく言うと、鏡で見た時に、その前歯の位置は維持したまま並べるスキマがないからです。逆に言うと、スキマがあればその前歯の位置で歯がきれいに並んできます。矯正治療は歯を並べるためのスキマをどう作るかを考えます。主に下の4つが挙げられます。

  • ① 抜歯です。抜けばスキマができます。ただし抜いた歯は戻りません。
  • ② 歯を小さくします。多少なりとも削る必要があります。
  • ③ 歯列を拡大します。広げればスキマができます。広げすぎれば歯が骨から出てくることがあります。
  • ④ 奥歯をより奥に動かします。これも限界量があります。

これらを踏まえ、矯正治療のゴールを考えたときに、最終的に歯列が顔のどこにあるかを考えます。要するに、治療前の状態に対して、歯列を前で並べるのか、後ろで並べるのか、上の方で並べるのか、下にもってくるか、はたまた左右の方向や傾斜も考えます。そのゴールを設定した時に、②,③、④の方法でガタガタが解消され、歯を自然な角度、見た目で並べられるかどうかを検討します。もしゴールの設定が治療前よりも後ろで会った場合、ガタガタを解消するスペースに加え、前歯を後ろへ送るスペースが必要となります。これらのことを検討した上で、治療のゴールをお見せしながら患者様に抜歯矯正、非抜歯矯正の提案をしています。抜歯は必要なものではありません。当然抜かない方法を模索します。ただ私が考える抜歯矯正、非抜歯矯正は、治療のゴールへ向かう手段の一つとして考えています。どうしても抜きなくない方には、②、③、④を駆使したゴールを提示いたしますので、まずはご相談ください。